このレビューはネタバレを含みます
(^^)とにかく攻めた映画!
権力の力はやはり大きい!
日本アカデミー賞を受賞したこの作品。まだ見ていなかったので見ましたが…、これはなかなかですね。
思っていたよりも面白い。正直展開は地味ですが、全く退屈させないストーリーでした。
ポイント「主演」「リアル」「政権」
「主演」
日本アカデミー賞にて、主演男優賞、主演女優賞にノミネートされた2人の演技が光っていました。
官僚として、ただ上からの指示に淡々と従っていた桃李が恩師の死をきっかけに変わっていく様、そして官僚であるが故の葛藤がありありと伝わってきました。
また、シム・ウンギョンも日本語に訛りはあるものの、まさに「魅せる演技」で、真実を愚直に追い続ける真っ直ぐな新聞記者の役を演じきっていました。
主演2人の演技が、大きくこの作品に貢献していて良かったですね。
「リアル」
この作品の何が問題かと言われると間違いなく「フィクションといいつつ、リアルの事案に寄せたストーリー」でしょう。
近年話題になった「森友問題」「加計学園問題」などの事件をいかにも風刺的に描いています。それはまるでその事件の裏側がまさにそうだったのではないか?と言わんばかりに。
とにかく、現代のメディアと権力の恐ろしさ、何が真実かわからないこの世の中、SNSで踊らされる我々国民を非常に風刺的に描いているように感じましたね。
「政権」
政治問題に首を突っ込んだ作品が最近多いのかな?という印象を受けました。
今作についても内容は置いておき、その中身には安倍政権批判のような物が込められていました。
Fukushima50でも、当時の政権を批判するような印象操作があったりと、映画の使われ方に少々疑問を抱いてしまいます。
今の世の中についての疑問を問いかける内容ならいいのですが、映画を使っての政権批判は少し陰湿な印象を抱いてしまいますね…。
ただ、それを除けば情報社会への警鐘というメッセージがあるため、考えさせられる内容はありましたね。
以上がこの作品のポイントでした。
地味ながらも、ミステリーとしても夢中になれる作品でしたね。
総合すると、主演2人の演技力、あまりに攻めた内容から衝撃的なものに仕上がった作品でした。
この作品はあくまでフィクションであるものの、政権批判的なニュアンスが作品全体に込められており、複雑な気持ちになってしまう作品でしたね。