このレビューはネタバレを含みます
「嘘か本当かを決めるのはお前じゃない、国民だ」
「この国の民主主義は形だけでいいんだ」
このセリフがこの映画の全てかなと。
フィクションとノンフィクションの境が非常に曖昧な、この手の話は自分の考えをまとめるのに疲れるが、結果として観てよかったと思える作品である。
割と現実離れしている情報調査室の様子や生物兵器の実験を軸にしているため一貫してフィクションを通しているが、現実の事件を想起させるような描写を盛り込むことにより「現実の出来事」を意識させている。問題提起として申し分ないだろう。
映画としてはどうしても『ペンタゴンペーパーズ』と比べてしまうので、ヤマとオチが弱く感じた。終始暗く重くヌっとした空気で終わる。『ペンタゴンペーパーズ』における記事の刊行を決定するシーンは見せ場だったが、『新聞記者』でも重要なシーンにも関わらずさらっと進んだ印象。編集長にメリル・ストリープほどの魅力を感じなかったからだろうか。
主演2人の演技はとても良かったです。特に最後の松坂桃李の表情。絶望という言葉がぴったり。
黒い羊のイラスト、怖すぎないですか?夢にも出てきて成人してるのに泣きました。