軽率な一言に収まってしまうが、泣ける映画だった。
最後の方で、笑いながら泣いたのは初めてだった。何故の涙かは分からない。ただ、お涙頂戴系特有の涙ではないことは確か。エンドロール後のブラックアウトした画面に映った自分の顔が酷くて、また笑えた。
誰しも、程度の差はあれど思い出したくない禍根、苦しみ、過ち、悲劇がある。
それを自ら癒し、再生しようとするビン監督の想いと、重ねられたキアーの姿、ザックたちの姿。
登場するキャラクターたちは、画面で見るよりももっと重い十字架を背負わされてるわけで。
そんな中でも、また明日を生きようと悶え、足を踏み出す様には勇気づけられた。
スケートボードがある。
友達がいる。
仕事がある。
決意がある。
愛してくれる誰かがいる。
だから、前を向ける自分がいる。
自分の敵は自分と缶ビールを片手に言い、自嘲気味に切なく笑うザック。
愛する父を無くしながらも、無邪気に笑う真っ直ぐなキアー。
自分の過去を顧みて映画にすることで、明日への足掛かりにしようとするビン。
悲劇のヒロインぶらず、弱い自分に立ち向かい、前へ進もうとすることでしか現状は変えられない。
そんなことを強く感じた映画だった。
最後に、最も響いたキアーのセリフを。
「生まれ変わっても黒人になりたい。だって、常に問題に立ち向かい続けられるから。」