ヤマカワ

行き止まりの世界に生まれてのヤマカワのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

アメリカのロックフォードに暮らす若者達の話

監督の友人たちを撮影しているので距離が近くとてもリアルな声(映画なのである程度気を遣ったり編集はしていると思うが)に感じられた

負の連鎖…と一言で片付けてしまっていいのだろうか?
家庭内暴力が彼らの「日常」だった。
家を飛び出して仲間とスケートボードをし、没頭している時間はまるで麻薬のようだったという

ザックの奥さんも言っていた。愛に飢えていたと。
愛を知らない人は愛を与えることはできないというが、親から教えられなかった人は誰から愛すること、愛されることを学ぶんだろう?
自分で連鎖を断ち切ることのできる人もいるけれど、みんながみんな強いわけではない
彼女の場合はおば夫婦の存在が大きかったように思う

アメリカの話だが、他人事とは思えない
特に金銭的に余裕のない環境
生きるのに必死だと自分に向き合う時間がない
目の前の状況に必死にならざるを得ないから

「落ちるところまで落ちる」と言っていたザックの言葉が忘れられない。
自分を善人だと思いたいけれど、今の状況から抜け出したいけれどどうしたらいいのかわからないという葛藤
これは自業自得の話だとは思わなかった

監督が母親と向き合うシーン
母親からしたら尋問のようで苦しかっただろう
実の子どもと自分の孤独を埋めてくれた人
過去に愛した人が息子に暴力を奮っていたという事実と向き合わなければならなかった

負を正に変換するのにはものすごいエネルギーがいる
一人で立ち向かっていくのは難しい
しかし自分以外の誰かが手を差し伸べることは稀で、いかに自分を強く持てるかにかかっている

最初から家庭環境に恵まれている人もいる、と考えるとつくづく世の中は平等ではない

最後の父親と向き合い自分の道を進むキアに希望が見えた気がした
ヤマカワ

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