しん

天気の子のしんのネタバレレビュー・内容・結末

天気の子(2019年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

予告を劇場で観た時は鳥肌がたった。
美しい音楽と映像…「ねぇ、今から晴れるよ。」という美しすぎる一言。

本編が始まった。
君の名は よりも陰鬱とした背景と馴染みのある夜の歌舞伎町という舞台に高校生というそこにいるべきでない少年。
その世代の少年たちが味わうビッグマックという食べ物が世界一美味しかったという描写。
新海作品らしい、いい意味で中二病感満載のキャラクター。
うさんくさくも粗暴で少しかっこいいおじさん(のちに成功し社会的地位を築く)、エロい年上のお姉さん(本当はまじめで清潔感があり主人公をたすけてくれる)。どちらも悪い人ではなく、受け入れられ活躍する僕。
ヒロインには関係を進めるのをいい具合に自然と阻む年下兄弟の存在。
悪くない…リアルを混ぜた中高生が抱く妄想の具体化。君の名は と同様だ。

そして最初の晴れさせるシーン。
花火大会の晴れさせるシーン。
音楽も相まって美しく描けている。

晴れが人を笑顔に変えていくという素敵さ。
ここに関しては雨が降らなくて困ってる人も〜とか、他の地域で降るようになったんじゃとか野暮なことは考える必要はない。
ただ、この素敵さを受け入れるので良い。

ストーリーは進む。やはり追い詰められていく主人公たち。
稲妻も起こせんのか大切な人を守るためにはパワーも使っちゃうよね。

ラブホテルとかあの年齢で入ったらテンションあがっちゃうよね。
カップラーメンもからあげくんもうまそうだわ。
これ以上なにもいりません。このままで。
いいね!このままでいられないからみんな大人になっていくのよ。
中二病を客観的にも描けていて素晴らしい。

消えたヒロインと遂に警察に捕まる主人公たち。
取調べ室に入る直前立ち止まる主人公…やめて、やめて…その展開だけはやっちゃダメだ…。
やってしまった…。
大勢の警察官を振り切って警察署からダッシュで脱出…最悪です。一気にご都合主義作品に転がり落ちる展開。
お姉様のスクーターがなぜか迎えに来て警察をかわし、整備している人たちを振り切り線路を走って目的のビルまで。何この地獄。
ビルの中でようやく追いつく無能な警察諸君。児童のタックルで体制を崩した拳銃を持つベテラン刑事平泉成の横を走り抜ける主人公。
やめて…ラブ・アクチュアリーの空港のシーンでお腹いっぱいなのそんな奇跡。

奇跡のあとに起こるファンタジックな黄泉の世界。まだ先程のショックから立ち直れないよ。

東京はあれから雨が止んでない。
美しいじゃないか。
ここまでしっかり世界より1人の女性を選ぶ。
素晴らしい中二ワールド。

オチも結局かわらないのはよかった。
東京はあのまま、彼女がまた手を合わせてもその願いはもう届かない。
世界を救い最後には彼女とまた巡り会えたではない、よきバッドエンドでおしまい。

しかし、それ以上の最悪の奇跡に空いた口が塞がらない。辛い。
しん

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