しん

呪詛のしんのネタバレレビュー・内容・結末

呪詛(2022年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

ホラー映画に何を求めるかと言う面白い作品だと思う。
要所はちゃんと押さえてくれている。
序盤の笑ってしまうほどの霊障ラッシュは圧巻。
バン!ドン!振り向いたら…ばーっ!みたいな怖さをちゃんとやるっていうのはもちろんホラーに必要だとは思う。一時期のはずれジャパニーズホラーのように押し入れを開けるとそこにはなにもなく少し湿っているが…なにかしらこれ。みたいな表情で次のシーンへみたいな肩透かしはこの映画にはない。
肝試しならば100点なのだ。

ホラーの映像も悪くない。最近みた韓国映画の総黒目でブツブツ言うっていう演出もよかったが、ホラーは絵の強さも当然必要。オチもちゃんと映像で勝負に行った。それもまあできてるのかなと。

そしてこの映画の肝となっている自己責任系要素。映画でこれは珍しいかな?
ある種怖い話における禁じ手的なジャンルである。しかし、これは残念ながら少し失敗している。この手法で最高なのはそれを見抜かれずに知らずに読み進めていき、最後の一行でこれを読んだあなたは…がよい。コンプラなのか、優しさなのか何度となく覚えてくださいを振っておいて最後には怖い人はここからは見ないでくださいと言うご丁寧な忠告までくれる。
そして、インターネットの匿名で上がったものと違い映画である以上は聞かれれば「おまじないや印はスタッフが一から制作したものです」という元も子もない打ち明けをしなくてはいけなくなる。

怖いの要素の幕の内弁当ではある。
炊き立ての白米を用意した努力はあり、定番のおかずをおいしく作れる調理師たちが作り、万人受けするためには化学調味料も気にせず使って白米に合う濃いめの味にする。値段は650円。
決して悪くはない。
ただ、好物は?といわれてあげるようなものでもなく、美味しいもの知らない?と言われてもあげず、この辺で美味しいお弁当屋さんないかな?高すぎないやつ。って言われたら、あそこすごくいいですよ!って
勧めてもいいのかなってくらいのグルメ。

求めているのはなにかという話に戻る。
本作とは違う意味でどこか自分の身に起こりそうだったり、展開がとても面白かったり、知る由もなかった悍ましいものに触れたり、主人公に感情移入できたり…やはりそういう映画としての面白さが伴ってこそのホラー映画ではないかと思った。
しん

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