このレビューはネタバレを含みます
2022.11にようやく鑑賞。
よくない評判も耳にしていたが
しっかりきっちり面白かった。
起承転結、
魅力的なキャラクター、
数々の見せ場、
天気と都市の美しい描写を
存分に堪能。
尺に限りのある映画として
100%以上の盛りだくさんぶりでは。
物足りないと思った人がいる原因としては
「少女が人柱にならないと
悪天候による災害で大勢が死ぬ」
という要素を一切描いていないから
かもしれない。
少女が力を使い切って命を失わないと、
代わりに
知り合った年配の女性や子供が皆死んでしまうということにすれば
究極の選択を巡る緊迫感がもっと出ただろう。
それをあえて描かなかったのは
少年と少女の私的なストーリーのほうに焦点をあてるためでは。
手塚治虫なら
少女どころか主人公の少年まで殺し、
東京沈没で大勢の命が失われ、
唯一生き残った弟が復讐を誓うラストにするなどして
大いに盛り上げるのだろうが
その類の物語は別に監督が描きたいものではないのだろうと思う。
弟がかわいい。
女子2人が面会にくるところは単なるギャグシーンかと思いきや
脱獄のためだったとは。
少年少女が空から落下するシーンをクライマックスにするのは
目新しさがもうないからやめたほうがいいという意見は
まぁそうだろうと思う。
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追記。
鑑賞前は敵キャラの「雨の子」が出てきて
能力バトルする展開になるのだろうと思っていたが違った。
「天気の女」のおばあさんが出てきて
しくみの真相を解説してくれるのだろうと思っていたが出てこなかった。
能力についての世界観をきっちり解説して
「晴れ女は本当にいるのか?」という謎を解明して終われば
スッキリする人も増えただろうが
それだともっと長い映画になってしまうのでやめたということではと思った。
※2022.11 テレ朝。本編ノーカット。