しおる

天気の子のしおるのネタバレレビュー・内容・結末

天気の子(2019年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

満を持して鑑賞。

絵と音楽が格別。
空が広がってく絵だけで圧倒されるし、「グランドエスケープ」聴くだけで泣ける。
空の色の表現とか、音楽が段階を踏んで静かなところから盛り上がっていく表現、でもずっと上品な感じが好き。
新海誠×RADWIMPSがめちゃくちゃ良いタッグ。

新海誠作品にはめちゃくちゃ新宿が出てきて、私も新宿が好きだし馴染みがあるから嬉しいのだけど、その景色がすごくリアルなのに美しく描かれてて…。
半年前くらいに、朝焼けの西新宿を眺めてて、あー、新宿って綺麗だなって思って新海誠作品のこと思い出してたのを思い出した。

あと著作権大丈夫なん?ってくらい、看板とかロゴとかが詳細に描かれてるから、入り込みやすい。
カラオケも「恋するフォーチュンクッキー」と「恋」、よく使えたなあ。

新海誠作品は、一辺倒だとか言われるけど、この絵と音楽の美しさだけでも十分個性が際立ってるからいいと思う。逆に言えば一貫性があって助かる。新海誠というジャンルになるというか。
若い男女と、神話・伝説と、自然現象、都市(新宿)と田舎ってのが共通点っぽくて、でも毎回被らないから良い。

あと、気持ち悪いとか言われるのも、確かに「おっぱい見たでしょ?」みたいな毎回女体にこだわってるところはちょっと気持ち悪いんだけど、今回は、それがホテルのシーンでの「見てないよ!…ううん、陽菜さんを見てる…」みたいなセリフとの良い対比になってたから許容されてる気がする。
性的な気持ち悪さはアレだけど、アニメ特有の童貞臭さみたいな気持ち悪さは好き。中高生くらいの少年少女のピュアな恋愛というか、ほとんど初恋みたいな感じで、お互いがこの世の全てで、ずっと死ぬまで一緒にいるんだみたいな、純粋な愛を描いてくれるのが本当に好き。
現実の世の中はそんな綺麗なもんじゃないけど、新海誠作品は、そういったものに染まる前の年齢の少年少女の綺麗な恋愛、綺麗な物語、綺麗な景色、綺麗な感情を描いてくれるから、創作物を観てる甲斐があるなと思う。

今までの新海誠作品と比べると、同じ新宿でも歌舞伎町とか、風俗、児相、警察…みたいなアングラなものが描かれていて驚いた。新海誠は関係ないけど、日本て…って思った。

時代が交錯することがないから、私にとっては君の名はよりもわかりやすかった。ただ前作たちみたいにもう少し新宿が綺麗に描かれてる方が好きかな。せっかく絵が綺麗だから。

帆高の家で理由が若干気になった。頑なに帰らないから、意思は強そうだけど、戻って数年平穏に暮らせるってことは、虐待とかの深刻な感じでもなさそう。わかんないけど、そこがまた、いい意味での未熟さというか純粋さ、青さを表しててよかった。
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