コーディー

天気の子のコーディーのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
4.2
あんまり期待してなかったけど凄く良いやん!

不完全なくせに順応を強いてくる世界で大人になる事の難しさ。不安や迷いを敏感に感じながらそれでも突き動かされる感情に正直に、その先でも人は世界を創れる。止まない雨の混沌に射す陽光、安易な表現に収まらない新海誠の攻める情感乱れ打ちは辛辣だが穏やかで温かい!

新海ワールドの美麗な映像に触れるのも今更やけどw物語の大半を占める雨描写への拘りには息を呑むしアニメで再確認させられる天候がもたらす世界の表情変化、神の御業を実感させられる表現に圧倒される。そこに絡まる人の一途な感情吐露は直向き過ぎて照れ臭い程やけど絶妙に幻想を彩る。

正直、秒速5センチ〜の頃の内向的なモノローグの洪水が好みではなかったのでこの突き抜け感やアクティブさには驚いたし晴天曇天雨天に関わらずな漲る生命力に痺れた!映像と音楽のシンクロも憎い程にキメてくるw優しくない世界やけど人の力を諦めてない監督のロマンチストぶりが今回は特に心地良かった。

1秒にも満たない細かなカットの洗練具合がもうね〜ズルイんだわw
でも泣かせに直結してそうで、そうでもないし美しいばかりではない世知辛さなんかもしっかり隙間に入れてくる。やっぱ独特だわ〜
これまで一番好きやった『言の葉の庭』を越えての一番好きな新海誠でした。
あと本田翼は超良い!