lapin2004

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネスのlapin2004のネタバレレビュー・内容・結末

2.0

このレビューはネタバレを含みます

2D字幕Dolby ATMOSにて鑑賞。

言いたいことは良くも悪くも沢山あるけど一つだけ記したい。こんな形でMCU世界にファンタスティックフォーやX-MENの存在を示唆して欲しくなかった。

本作で一番興奮したのはアース838のクリスティーンがバクスター研究所で働いていると口にした時。「おおおついに来たあああ…!」とテンションが上がったのも束の間、数分後にはコスチュームを着たリードがワンダに何の見せ場も無いまま一方的にねじ伏せられ殺害されるという。。FFはこの先単独作もあるのだろうが、どういう登場になっても「これがMCU版FF!」と興奮する事はもう無いだろう。クリス・エヴァンスとマイケル・B・ジョーダンがメンバーでも興奮しないと思う。X-MENも然り。

ペギーの再登場も残念としか言いようがないものになってしまった。別アースとは言えそもそもペギーには再登場して欲しくなかった。「アベンジャーズ :エンドゲーム 」(2019年)で過去に戻りブラインド越しに姿を眺めた時の感動が台無し。パトリック・スチュワートのプロフェッサーXも20世紀からずっとこの役を演じてきてこんなのが締めになる(?)とは。「ローガン」(2017年)の感動が(略)

同じくマルチバースを扱った「スパイダーマン :ノー・ウェイ・ホーム」(2022年)では打ち切りの憂き目にあった過去2シリーズのキャラクターの物語を「成仏」させたが、本作は成仏したキャラクターを墓から掘り起こしてゾンビ化させてしまったようなものだ。あと、こんな形でワンダが卒業(?)かと思うとやり切れないし……って言いたいことは「一つだけ」じゃ収まりませんね。

なんだかんだのMCUクオリティではあって、サム・ライミ監督やダニー・エルフマンに期待した独特の演出・画づくり・アクション・音楽などは堪能できた。が、将来の楽しみも過去の感動も雑に消費されてしまった。今回の製作の経緯で企画が始動してから監督交代という点ではジョス・ウェドン版「ジャスティス・リーグ」(2017年)に通じる部分が無くもない。引き継いだ監督としては会社側のリクエスト通りに数多の制約をクリアしてキッチリ仕事したけどね…みたいな。原作コミックに造詣が深くてもアメコミ映画で監督した実績があっても、このシリーズの関連映像作品に造詣や愛着が深いとは限らない。Disney+に加入しない者を消し去る指パッチンにならなきゃいいけど。
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