lapin2004

アントマン&ワスプ:クアントマニアのlapin2004のレビュー・感想・評価

3.0
子供の頃「魁!男塾」という漫画が好きだった。連載開始時はギャグ要素が強かったが、関東豪学連との「驚邏大四凶殺」あたりからバトル漫画として盛り上がりを見せ、続く「大威震八連制覇」では敵として登場した雷電・飛燕・月光・伊達が主人公の剣桃太郎たち1号生の味方となり、男塾の帝王である大豪院邪鬼に力を合わせ立ち向かう姿に心躍らせたものだ。しかしハラハラと緊張感をもってストーリーを追っていたのはこの辺まで。その後の「天挑五輪大武會」では世界観が広がりバトルのスケールはアップしたが、次から次へと常識はずれな敵とルーチンワーク的に闘い何でもありになっていくうちに、どんな敵が出てきてどんなピンチに陥っても興奮する事は無くなっていった。

この『アントマン&ワスプ:クアントマニア』(というかMCUフェーズ4以降)にはそんな「魁!男塾」的な印象を持ってしまう。フェーズ3までは緊張感を持ってストーリーを追えたが、ここまで何でもありになり、新登場のキャラや要素の説明が一言二言で済まされ、死んだキャラの別バージョンが普通に出てくると…
「むうあれは…」「知っているのかジャネット!!」とか、「征服者カーン、死亡確認」みたいな。カーンが何者なのかの説明を一コマで済ますのは民明書房的だ。そういや「甲冑軍隊蟻」なんてネタもあったな。

男塾もMCUも決して嫌いになることはない愛すべき作品なのだが、未見の人に薦めるなら大威震八連制覇まで、フェーズ3(とスパイダーマン NWH)まで、になるのかな。ポストクレジットシーンも『アベンジャーズ 』(2012年)のシャワルマの食事シーンみたいなニヤリとさせるものや『アントマン&ワスプ』(2018年)みたいな声を失うような衝撃・サプライズを感じるもの、作り手の遊び心やクリエイティビティを感じるものが無くなりそうな雰囲気。ただのディズニープラスのプロモーションになるのは嫌だな。
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