さすらいの旅人

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネスのさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

3.9
ワンダの母親としての優しさと子供に対する愛情で泣かされる
【VOB/Disney+/配信視聴/IMAX上映ビスタサイズ】

絢爛豪華なスペクタル絵巻を延々と見ているような大作映画だ。
私はマーベルのファンでもオタクでもないがこの世界観は大好きだ。そして、本作のアクションシーンはCGの出来を含めて素晴らしかった。

ただ、マルチバースの世界を舞台にするため、ストーリーが複雑で分かりづらかった。
現在観ている場面が何処の宇宙の世界なのか迷ったり、またストレンジをはじめ同じ人物も複数存在するから混乱気味であった。私の勉強が足りないせいかもしれないが…。

映画の中で魔女のワンダ(エリザベス・オルセン)の存在が特に印象的だった。最強の悪役になるが、マルチバースの世界では二人の兄弟を育てる優しい母親としても描かれる。子供を育てる至福の時間のシーンでは何か切なくて感動してしまう自分がいた。彼女への演出も人間ドラマの温かみを持って繊細に描いておりよかった。

本作の監督はサム・ライミだ。「スパイダーマン」シリーズや古くは「死霊のはらわた」の監督だ。本作の成功は監督の映画センスに溢れた演出が秀逸であったに尽きる。次回作の監督もぜひお願いしたい。エンタメ精神が豊富で、如何にして観客を喜ばせるかのツボをしっかり知っている監督と言える。

あと、前作同様私の好きな女優であるレイチエル・マクアダムスが出演している。彼女は43歳になったが今でも若々しく可愛い笑顔は健在だ。