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黒い司法 0%からの奇跡のrollinのレビュー・感想・評価

黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)
3.6
ちょっとこの邦題付けたヤツ出て来いよ!ふざけんなよ!( ᵒ̴̶̷᷄ρᵒ̴̶̷᷅╬)
何でこんなバカげたタイトル付けられんだよ!『否定と肯定』に匹敵する愚かな邦題だよ!どっちかというと『白い司法』だろーがよ!

あとサブタイもひでーよ!100%の圧勝って言い切れよ!法治国家に生きるすべての人間が行使されて然るべき法の平等原則についての映画だろーが!マジで考えようよ真剣に!頼むよ!

まあ、言うてますけど、この作品自体はかなり上質&洗練された出来でございます。映画開始4分で死刑宣告が下される佐藤蛾次郎みたいなジェイミー・フォックスのオーラの消し方が凄い。白い司法に対する諦めの態度と、その瞳に宿り始める微かな希望。クリードがセコンドに付いているせいか、各裁判がまるで静かなボクシングの試合のようでした。堪えに堪え、勝者がアナウンスされた時の泣きの演技には来るものがあります。

マイケル・B・ジョーダンはもう名優の風格がありますね。あの特徴的な困り顔は、キャラクターが抱く葛藤を表現するための大きなアドバンテージになっていて、本人もようやく使いこなせるようになってきた感がある。ブリー・ラーソンはほぼカメオ。

極めて冷静且つ節操あるスタンスで撮られている映画だけど、特に素晴らしかったのは、ジョニー・Dの監獄仲間であるハーブの死刑執行シーン。死を紛らわせるための音姫のような歌を突き抜けて届く仲間たちの叫び。そして、ハーブを演じたロブ・モーガンの僧侶のような佇まいは、人間としての威厳を感じさせます。あと、レイ役のオシェア・ジャクソン・Jrも、ちょっとしか出ないけど存在感抜群。

もともと法の秤⚖が傾いていたところに、(ほんのひと時でも)正義のバランスがもたらされた当たり前の物語。これが弁護士のバッジが持つ意味であってほしい。
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