堂々たる演技合戦に思わず息を呑みました。
残酷な差別や偏見に基づく醜い主張は、決して過去のものではないし、私たちにとって対岸の火事でないことは言うまでもありません。
数々の理不尽に対して主演2人が表現して見せる怒り、苦しみ、悲しみが、今なおどこかの誰かのリアルであることを思うと胸が張り裂けそうになります。
また、事件の目撃者とされる男を演じたティム・ブレイク・ネルソンも素晴らしかったです。非常に人間味あふれる豊かなキャラクターで、映画をスリリングでエモーショナルなものに高めることに大きく貢献していると思いました。
この映画で最も感動したシーンも、彼にスポットが当たる場面でした。(ティム・ブレイク・ネルソンは『バスターのバラード』やTV版『ウォッチメン』での演技も最高でした!!)
残念ながら、当時よりマシになっていると手放しで言えないような状況が世界的に続いていますが、「差別をなくすことはできなくても、減らすことはできる」という考え方は重要です。
主人公のブライアン・スティーブンソンさんのように、目の前の人を救う努力を続ける人たちに敬意を表します。