忘却の彼方に消えゆく記憶と強制削除
しかし、ラブライブ!フェスのライブビューイングのカメラマン、こいつはかなりやり手だぞ。今までにないカメラワーク。
おっと、危ない、違う。これは『記憶屋』の鑑賞記録だった。
記憶が上書きされるところであった。
冗談はさておき
さて、今回は辛口でコメントさせてもらおう。
あらすじは記憶屋と呼ばれるものに恋人の記憶が消されたのではないかという主人公と記憶にまつわる物語。
原作未読ゆえ、結末は映画のしか分からないが酷すぎる。こんな結末しか用意できなかったのか、題材がいいだけにもったいなさすぎる。
この作品に予告以上の期待を抱いてはいけない。
決して道中つまらないわけではないが、期待値はあげないほうがいい。
これだけは言っておく。
では、何で満点なのか。
これは役者が映画の魅力を1000%に引き上げていたから他ならない。
加えて主題歌。これにはぐうの音も出ない。
山田涼介はそこまで気にした事はなかったが伊達にいくつも演技をこなしていない。見事に主役していた。
濱田龍臣だって脇役ながらしっかりかっこよかった。山田君とあんなに身長違うのはびっくりした。
それ以外の役者も文句はないんだ。
全く文句ないよ。久しぶりに、蓮佛美沙子の演技見られたし。
だけどね、一番の立役者は、いや、二人選ばせて。
まずは、子役の女の子。弁護士の娘。素晴らしい子役。
そして、こちらがド本命、佐々木蔵之介。
佐々木蔵之介以外にはこの役は無理だ。
絶妙なんだ。
ずばり、キャスティングに惹かれなければ、別段観なくてよろしい。
ただのお涙頂戴ものだ。解消されないモヤモヤはまさにホラーだ。
でも、佐々木蔵之介の演技はかなり、とても、どうしてもオススメしたい。
佐々木蔵之介を好きになって欲しい。
そういう意味も込めて佐々木蔵之介を推す作品にしたい。
記憶について
記憶というものを題材にここまでの内容にを収めたのは単純にすごいとは思う。
結局のところ、記憶というのは何とも不安定で人間に架せられた、もはや呪い。
消したい記憶がある身としては記憶屋は
伝説としてでも存在していて欲しいという願望も加点の理由にしておくとしよう。
以下、辛辣な理由がネタバレ
都合が良すぎる記憶屋。都市伝説としては存在し足り得ない記憶屋の存在にもはや、唖然。
都市伝説というものは云々と始まると長くなるのでやめるが『friend of friend』が原則。
記憶屋の正体が雑だった。
方言がたくさん出たのは良かったがそれだけの味付けじゃ舌の肥えた連中は騙せない。
最後の主人公のセリフも行動も納得いかないし、心情として許せるはずもない。
そして、ヒロインの行動も不明。
むしろ、記憶が消せるのなら主人公の記憶も消してしまえばチャンスもあるだろうに、中途半端なのだ。
更には消したい記憶しか消せないのか。
この考察にも及んだが弁護士の娘の記憶を消せないのではなく、自身の意志で消さなかったという事から否定される。
つまり、記憶屋にとって記憶は復元不可、消すのは自由。記憶屋の都合のいい状態が作り出せるのだ。
現にそうしたように。
全てがこの物語の都合通りに動いている。
それが、この作品に辛辣な理由。
でも、褒めるべき点がなくはない。
それはやはり佐々木蔵之介とそこに関わるストーリー。
ここの佐々木蔵之介の演技がもう涙腺刺激まっしぐら。
破壊力抜群すぎる。
これだけの為には一見の価値はあり。