kito

クーリエ:最高機密の運び屋のkitoのレビュー・感想・評価

4.3
思っていたのと違い、非常に面白かった。

スパイものというだけの前情報で、007やミッション・インポッシブル・シリーズ的なエンタメを想像していたが、実話ベースの至ってシリアスなドラマだった。

主演のベネディクト・カンバーバッチといえば、初めましてだったドラマ「シャーロック」の刷り込みが強く、どんな役でもスマートにこなしてしまうイメージが抜けない。本作では、普通の営業マンなのにスパイ活動を行う役で、終盤ではスティーヴ・マックイーン主演の「パピヨン」を思い出す壮絶な投獄シーンを熱演している。

「JFK」や「アポロ13」「ゾディアック」などを面白く感じることから、実話ベースや実話にインスパイアーされたとか、なんなら完全フィクションでも劇中に歴史的な出来事が絡まってきただけでも萌えるんだとわかった。劇中の登場人物や史実に関してWikipediaに項目があるとしっかり読んでしまう。

本作ではカンバーバッチ演じるセールスマンの項目は英語のみで、ソビエトの大佐には日本語の項目もあった。キューバ危機の裏側でこんなスパイ事件があったんだと知るといまさらながらにすごいと思う。

映像が綺麗で、派手ではないけれど良いシーンで流れるテーマ音楽もスキ。開始早々、MI6の担当管理職役が、ドラマ「刑事モース〜オックスフォード事件簿〜」の警視正役だったアントン・レッサーで思わず「おお」となった。
kito

kito