三樹夫

ラン・ローラ・ランの三樹夫のレビュー・感想・評価

ラン・ローラ・ラン(1998年製作の映画)
3.1
2000年代前半ぐらいのTSUTAYAで必ず平置きにされていたやつ。話は彼氏のために10万マルク用意しなければならなくなった主人公だが、制限時間は12時までの後20分しかなく、街中をひたすら走る。そしてループものでもあり、上手くいかないと11時40分に部屋から飛び出して12時になるまでが繰り返される。

ドイツのダニー・ボイルみたいな、所謂スタイリッシュ映像にステを全振り。街中を走るローラをいかにカッコよく撮るかに注力しているというか、それありきで作っている感はある。90年代的オシャレ感がプンプンで今観ると結構ダサい。良く言えばスタイリッシュだが、悪く言えばやたらめったらチャカチャカしている。ベビーカー押してるおばちゃんのその後とかなぜこういう世界線に分岐したのかの説得力はなく、それっぽいやつを入れただけのように思える。彼氏がそもそもクズ彼氏なので、こんな奴のために奔走するのは都合よすぎだろと思う。こういうクズ彼氏に彼女が献身的な行動をとり続けることに対して引いた視線がなく、当たり前のようにクズ彼氏に対して献身的行動を彼女が取り続ける作品が作られるのは、この映画が作られた90年代後半ならよくあるとは言わないが、そこら辺の意識は今とは異なっている。
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