このレビューはネタバレを含みます
昭和58年。終身雇用が当たり前、学歴重視の時代のお話し。多くの家庭ではレールから落っこちない事が何より重要でした。
ジェットコースターに執着している茂之からは受験の重圧が想像できます。
「家じゅうがピリピリ鳴っててすごくうるさいんだ」から始まって、不快な音をいっぱい聞かされました。
食卓も独特で、レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」を連想します。この構図からも何かの含みがありそう。
この作品で強烈に覚えているのは、棺桶をどうやって下ろせばいいのか?っていう戸川純の問い。
私もすごく気になったのに、インターネットがない当時は答えが見つけられず、大人になるまで引きずっていました。
ラストはお母さんと息子たちがお昼寝。でもヘリの不快な音のせいで不穏な雰囲気が漂います。
一歩まちがえると大事件が起こりそうな空気に満ちていました。
難解だけど、言葉では説明出来ないけど、メッセージは受け取れた気がします。
偶然にも我が家の末っ子も中学3年生。受験生って事を忘れるくらいのんびりした母親ですが、このまま来春まで変わらず居ようと決めました。
それにしても、戸川純に大量のトイレットペーパーを持たせるって大胆。私はここが1番ウケました。
一定の年齢の人でないと分からないよね😅