レオピン

家族ゲームのレオピンのレビュー・感想・評価

家族ゲーム(1983年製作の映画)
3.8
たってんじゃないのか
たってないよ
たってないですよだろ
・・・たってないです

久しぶりに見直してみたらダウンタウンとの距離の近さに驚いた。日常に潜む暴力と笑いの接点。ビジュアルバムのいくつかのコントなんかやってることコレじゃないか。19歳の松ちゃん絶対に観てるな。

あともう一つ、この年になってようやく由紀さんのそこはかとない色気が分かるようになってきたよ。ちなみに家庭教師吉本の彼女は板尾の嫁、ではなく港のヨーコ阿木燿子。

あの狭ーい部屋に日がな一日閉じ込められている母。まだ専業主婦が当たり前だった頃だけどこれ見ると団地の主婦って結構キビシいなあ。上には戸川純が住んでいていつも変なこと言ってくるしw
大体あんな密閉空間に息子2人の家族4人って、、そりゃ事件が起こらない方がへんだよ

何度か出てくるバット殺人という言葉が不穏な空気に拍車。モチーフとなった神奈川金属バット両親殺人事件が1980年。この事件も色々と社会やサブカルへの影響が大きい出来事だった。

本作公開の1983年というのは、青少年の非行事件が戦後ピークを迎えた年らしい。また荒れる学校、管理教育が問題視されていた時代。あの茂之の担任のぶっきらぼうな態度も今見ると驚く。機械的に生徒の成績で進学先を決めていく。本人の意思はカンケーないのだ。

最後の父親不在の家の中でまどろんでいる母と息子。上空で鳴っているヘリコプターの音。あの嵐の前の静けさがその後の日本社会を予見していた。。。のか

⇒撮影:前田米造
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