@シネマート心斎橋
本物の親子が親子を演じるということで、ドキュメンタリー部分が素晴らしかっただけに、どうしてもフィクション部分の拙さが目立ってしまったのは事実。わざと怒ってるよね今…とか色々気になってしまった。
ただ、素晴らしくグッとくるシーンがいくつかあって、囲炉裏で味噌汁を飲むシーンは白眉。あれはちょっと奇跡的に凄いと思った。父と息子の絆、師匠と弟子としての関係性、文化や伝統の継承、芸能と日常の繋がり、あのシーンにこの映画の伝えたいことが全部あった気がした。
がっつりドキュメンタリーもしくは観察映画として観たかったなというのが正直な感想ではあるけれど、絶たれてしまったものへ思いを馳せることというのをフィクション部分で補いたかったのかなと。それも含めて、たくさんの「繋ぐこと」が映画の中にあったのはとても良いと思った。
でも、何より狂言って面白そう!と思ったのが一番の収穫。犬の鳴き声が「びょーうびょうびょうびょう」とか初めて知った。一度観てみたい。