よあけの焚き火の作品情報・感想・評価

よあけの焚き火2018年製作の映画)

上映日:2019年03月02日

製作国:

上映時間:72分

3.5

あらすじ

「よあけの焚き火」に投稿された感想・評価

ドキュメンタリー感の強い映画。不思議な感じのフワフワしたものでした。
もう少し掘り下げたものでも良かったかも。。静かな映画です。
sci

sciの感想・評価

4.0
蓼科の祖父の家で狂言の稽古をする親子を描く。実際の親子の狂言師なので半分ドキュメンタリー。

到着した日は雪がしんしんと降り、早春へと季節が進むにつれ光が強さを増していく。高原と昭和初期の家屋の整然とした構造や色味、金魚鉢や窓のガラスが脇役となり、作品全体に端正な雰囲気を醸し出している。

祖父の元で暮らしているという少女と動物の演技の練習をするところから、少年は自分は狂言をやっていくんだ、という思いに目覚める。一人で静かに語りかけていた金魚が命名される場面に喜びにあふれていた。
dita

ditaの感想・評価

3.0
@シネマート心斎橋   

本物の親子が親子を演じるということで、ドキュメンタリー部分が素晴らしかっただけに、どうしてもフィクション部分の拙さが目立ってしまったのは事実。わざと怒ってるよね今…とか色々気になってしまった。

ただ、素晴らしくグッとくるシーンがいくつかあって、囲炉裏で味噌汁を飲むシーンは白眉。あれはちょっと奇跡的に凄いと思った。父と息子の絆、師匠と弟子としての関係性、文化や伝統の継承、芸能と日常の繋がり、あのシーンにこの映画の伝えたいことが全部あった気がした。

がっつりドキュメンタリーもしくは観察映画として観たかったなというのが正直な感想ではあるけれど、絶たれてしまったものへ思いを馳せることというのをフィクション部分で補いたかったのかなと。それも含めて、たくさんの「繋ぐこと」が映画の中にあったのはとても良いと思った。

でも、何より狂言って面白そう!と思ったのが一番の収穫。犬の鳴き声が「びょーうびょうびょうびょう」とか初めて知った。一度観てみたい。
赤足

赤足の感想・評価

3.2
伝統芸能を受け継ぐ宿命を背負った親子と、家族を失った少女の交流を描いた人間ドラマ。狂言という普段あまり見慣れない世界はある意味、新鮮であった!父は先代からの伝統の教えを受け、そして息子は父から新たに伝統を時には厳しく戸惑いながらも、これが私の生きる道と言わんが如くに受け入れ技術を吸収し成長していく様と、親子と言う関係上で表現される狂言と信州の山々に囲まれたまだ雪解けまもない大自然をバックにドキュメンタリーとフィクションを織り交ぜ、受継がれる伝統と歴史、その中で新たに紡いでいくことの大切さや親子の関係性を丁寧に描き感じ取れる作品であった。ドキュメンタリーとフィクションという事で、演出やストーリー等は少々おざなりになりかけたりした部分はあったものの、ラストで同じ舞台に立つ親子の姿はとても凛々しく印象に残るものであった。
hymasumin

hymasuminの感想・評価

3.5
狂言を少し理解しようと、それから民家と窓から見る雪景色に忘れかける日本の原風景を見たいと、ややズレた目的で鑑賞。

伝統芸能を継いで生きる以外に選べるものがない家に生まれて、おそらく子供でも辛い厳しいことをたくさん体験していると思うのですが、そこに葛藤している様子は撮られず、ただ優しい師である父と従順な息子の家族愛で仕上げられたのは残念。
康誠と咲子が朽ちた大樹とそこで絶命した動物の遺骸を見て新たに決意と解説にありましたが、プロセスが短すぎて説得力がない。
映像はとても綺麗で期待していた日本の原風景はたっぷり堪能できたし、狂言もずいぶん理解できましたが、もう少し長い映画にしてその辺りをしっかり伝えてくれたら良かったのにというのが一番思ったところ。
田舎町の映像美、1つ1つの環境音、丁寧で静かな演出、とても面白いという訳ではないものの、非常に見応えのある作品で、なんだか優雅な映画体験をしたような気分になりました。
1つ1つ、丁寧に説明されるのではなく、この作品の空気感から感じて下さいみたいな感じ。
子役の2人が良かった。
特にその場その場で見せる表情が印象的でした。
伝統を引き継ぐって大変なのだろう。
関係性も師匠と弟子であり、親と子であるというのは、難しいのだろう。
ふとした時に親と子の関係で接しているのが微笑ましかった。
とても静かで不思議な作品でした。
YUKI

YUKIの感想・評価

3.3
なにかしら伝えたいことはあるのだろうなという演出はあるが、特に押し付けがましくなく。ご自由にどうぞ、という雰囲気で気楽に観れた。時間の短さもあるかも。
夜明けを表現するために狂言を選んだというのがおもしろい。狂言の動作や台詞回しがこの映画を色付けている。雪ではしゃいだり、囲炉裏で親子戯れたりするシーンが一番良かった。これらのシーンはほぼ親子のアドリブらしい。自然体でユニークだった。
Omekosan

Omekosanの感想・評価

4.0
わかりやすい、いかにも映画っぽい映画の「映画やってます」「芝居やってます」感が一切なく、余計なものを何一つ感じない。
ただある親子の姿が物語に沿って繊細に描かれている。

余白が魅力的で、その世界に映像や演出で丁寧に布石が施されており、この作品の核となる物語が鮮明に描かれている。
Marrikuri

Marrikuriの感想・評価

1.3
劇場用の水準に達してない。まともに物語を紡ぐことができないまま映像美(お行儀のよい美景色)を欲しがっても、オモチャしか作れない。

良い映画の駒になろう、という意識がまず第一に父役(実際に父である大蔵基誠氏)になさすぎ。統率力不足の監督、の習作におつきあいしちゃった徒労に私は唇噛んだ。作品内世界に対しては制作者が神、完成品に対してはもちろん観客が神だから、神の一人として私はこういうものを裁くわけだ。ブラフマーを叱るシヴァかヴィシュヌとして(笑)。。
「ヤス、」「ヤス、」で始まる父から息子10才への耳障りな厳しい言葉が、ことごとくわざとらしかったね? フィクションなのかドキュなのかドキュタッチフィクなのかどれでもいいけども、「今は親子スパルタをやってます」「今は親子ほのぼのをやってます」のオン/オフの自己スイッチがド素人すぎて、それは不慣れだからってより「ああ、このお父さん(基誠)、生まれてから今までいっぺんも映画館で感動したことってないんだろうな。言われたとおりに協力するからせいぜい僕らを魅力的に撮ってみてよ、ぐらいしか思わずに臨んだ人なんだ」と思わせちゃう “映画愛欠如” の寒さだ、たぶん。監督は遠慮してダメ出しをあまりしなかったにちがいない。ちがいない。

序盤で「狂言と能楽の違い」の解説ついでに語られた「一度(息子が狂言を)やめたいと言い出したことがあるんです」。その件こそ傾聴したかったんだけど、なぜかそこで声がフェイドアウトしちゃった。。。

プロ女優の鎌田らい樹ちゃんが登場すると、とりあえず彼女だけは異次元。ジュニア世代だけどこれこそが映画人さんだ、と安心させてくれた。でも、無駄遣いに終わる。(鐘とかふくめて)母親との死別話の差し込みとその帰結がシンプルすぎて緩くて。練れてない物語に私はほんとうに途方に暮れた。

味噌汁を父子で狂言ゼリフ交わしながら呑ませ合うユーモラス場面には、素直に惹き込まれた。いっそのこと、最初から最後まで狂言喋りオンリーで通してくれれば奇抜な傑作に? オンオフ自在感出そうとするより、ミラクルオンのみで突っ走る勇気なんかが欲しいな。
不器用にちがいない基誠氏も、そういう最適な使い方でだったらいきなり主演男優賞級をやれたはず。


インスパイアド・バイ 絵本『よあけ』(ユリ・シュルヴィッツ 福音館刊)、とのこと。
男の子がとても素敵で、父親もかっこよかった。自然の風景と音楽がきれいでした。同世代の家族にぜひ見てもらいたい。
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