NaokiAburatani

シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢のNaokiAburataniのレビュー・感想・評価

3.7
何かを始めるのに遅いということはないと思っている人のための映画。
寂れた田舎町の閉塞感はフランスも日本も同じ。そんな町にいる冴えない中年親父達がシンクロナイズドスイミングやる話。ただそれだけで話の流れが想像できたが、ウォーターボーイズ好きだからつい見てしまった。
キャラの個性はしっかりあるものの序盤はダメ親父達のダメっぷりをこれでもか、と見せつけられて若干退屈。が、車椅子女鬼コーチが出てきてから格段に面白くなった。サウナの件は最高だった。
世界大会ってそんな簡単に出場できんの?とか疑問はあるけれど、でかいキャンピングカーでワチャワチャしながら長距離移動するのは修学旅行感あって楽しい気分になれる。
シンクロ演技本番では失敗しないかどうか本気で心配して思わずお祈りポーズをとっていた。ふと、隣をチラ見したら隣の人もお祈りしてた。結果に興味がある人は是非自身の目で確かめていただきたい。
雇用、介護、鬱、移民…フランスを取り巻く問題はまだまだ沢山あり、希望を持って何かに取り組んでも簡単には変わらないだろう。ただ、何かに夢中になって取り組めば、自分の中では何かが変わる、四角い穴に丸を通すこともできるかもしれない。そんな希望を持てる爽やかなラストと主人公の笑顔が心に残る作品だった。
2019-53
NaokiAburatani

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