にしやん

ジョナサン ふたつの顔の男のにしやんのレビュー・感想・評価

1.5
脳に埋め込まれたタイマーで、人格が12時間で切り替わるよう設定されてる、超几帳面な「ジョナサン」とちょっとパリピな「ジョン」という、ひとつの身体にふたつの人格を持つ男の姿を描いたサスペンスもんや。
この映画やけど、とにかく眠かったわ。まず劇場の予告編で殆どネタバラししてるやんか。展開についても結構バラしてて「女絡んできて片方がルール破ってジ片方に迷惑かけるんやろ」っちゅうんも観る前から分かってるしな。映画の前半は二重人格者の日常とその日常のちょっとした綻びみたいなもんを延々観せられてるだけや。例えて言うたら、教科書ガイド見て教科書の答え全部分かるのに、周りくどい授業を延々聞かされてるような感じやな。「もう、そんなん分かるって。そえやから、はよ話進めんかい」って突っ込み入れ倒してたわ。せやけど、その内それも飽きてきて何べんも寝落ちしてもたわ。
台本、演出、美術、撮影そこそこちゃんと考えて作られてんのに、話としてあんまりおもんない映画の典型的なやつやな。いわゆる企画倒れや。二重人格もんとかも大概見飽きてるんもあるわな。きょうびそんなに珍しいもんやないもん。この映画は二重人格を治すんやなしに、本人含め人為的に人格自体をコントロールするっちゅう、ある種のSFっぽさがおもろいところやのに、始まったとたんにあんまりコントロール上手いこといってる感じあれへんもんな。わし昼間だけ、お前夜だけとか無理やろ。この年齢になるまで、どないしとったんやろ。学校とかは高校やったら一人は昼間で、もう一人は定時制でもいけんことないけど、小学校と中学校はどないしたんやろ。片方は塾だけか。だいたいからして睡眠時間少ないわな。住民票とかどうなってんの?
あと、「ジョナサン」視点しか、観客には見せへんとこもどうなんやろ?これも制作側が意図的にやってんねやろけど、観てるほうにとっては結構飽きてくるっていうか、主人公が二重人格やという実感が今ひとつ沸かへんねんな。制作側は二重人格を最初からネタバらししてる割には、観てる側にとってはそんなにそれ自体面白いもんではなかったってことやろ。ビデオとベッドと冷蔵庫くらいしかもう一人の気配あれへんもんな。いまいちおもんないわ。それに、そのもう一人の気配がいまいち薄いさかい、二人の性格の違いも観てる側に伝わりにくい。べデオメッセージでしかそれが分からんのは辛い。主役のアンセル・エルゴート自体が元々ポーカーフェイスで、顔に表情が出にくいキャラなんも辛いな。観てるもんに違いがピンとけーへんかったわ。演技で差をつけれるほど演技が上手そうではないな。
ラストも今ひとつおもんない。オチとしても?って感じやもん。「えー、それだけ?何やそれ?」や。何言いたいんかもよう分からんし、何か他にもっと言わなあかんことないんか?って感じやな。もっとあるやろ、普通。そもそも二人のこれまでの背景の説明やら描写が薄いから、結末についてもあんまり感慨も沸かず。まあ、プロット自体があんまりおもんないのに、演出やら、台本やら、役者でカバーしようとしたけど、カバーできませんでしたってことかな。あー、眠かった。はっきり言うて、今のところわしの今年の洋画のワーストかもな。これは、あかんわ。
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