派手なアクション映画ばかり観ていると、こう云う渋めのハードボイルドは物足りなく感じる。
が、もともとハードボイルドは渋味が売りだろうから、
そうと分かれば、なかなか楽しめる作品だ。
主人公の探偵と、
私には、ロバート・カーライルの若い頃、または、市川海老蔵に見えて仕方なかったが、それが返って、主人公に共感させる一因になった、
彼の幼なじみたちとの思い出話が、現在の殺人事件に絡んでくるト云う二重構造。
最初、まったく関わりのないト思われていた思い出話がだんだんと主筋に絡んで来て、遂には…。
ト云う実に巧みな構成。
ストーリーにマッチした画風も味がある。
主人公がやたらワイルドターキーのダブルをアイスなしで呑むものだから、
コッチも呑まずにいられなくなる。
さすがにタバコは吸わなかったけれど。
今時、これ程容赦なくタバコを吸う作品も珍しいのでは?
要は、ウヰスキーとタバコなしには、ハードボイルドは成立しないと云うコトだろうか?
まあ、健康的なハードボイルドなんて、ハードボイルドじゃないもんね。
渋めのハードボイルド好みの方にはおススメです。
傍にウヰスキーは必要ですぞ。
絶対、呑みたくなりますから。