ああ、なんてものを観てしまったんだ!(なんて映画を作ったんだ!)と思わずつぶやきたくなった作品。もちろん褒め言葉です。
「異形」のティーナは、他者のネガティブな感情を匂うことができる能力を活かして、入国検査官として働いている。
恥や罪の意識を感じると、その人の持ち物をチェックする。ある日、不思議なほど自分に似た人物を捕まえる。その人は彼女を別の人生へと誘うきっかけだった。
途中までは、普通の生活を送れない「異形」なティーナが、同じく「異形」なヴォーレに出会うボーイミーツガール的なストーリーなのかと思ったら、ぜんぜん違った。
彼らはある種族で、制作側はこれを純粋なおとぎ話として作ったみたい。
おとぎ話と言っても、妖精やユニコーンは出てこない。アンダーグラウンド感の強さは、パンズ・ラビリンスを思い起こさせた。
北欧の映画、確実になにかおもしろいものがある。予想をはるか(斜め上に)越えてくる感じ。
人間ぽくて、湿っていて、生々しい。地域別にいうなら韓国映画の次に好きかも。