まいとん

よこがおのまいとんのレビュー・感想・評価

よこがお(2019年製作の映画)
3.0
ちょっとしたトリックがたくさん仕掛けられているので2度見ないと分からないところもあるし、十分に楽しめない作品

市川実日子が介護士になっているところを見ると、おそらくは純粋に筒井真理子に憧れていて、おそらくは好きなんだったのだろうと思われるが、なぜ池松壮亮の家に出入りしていたのかは謎のままだ(ラストにとっくに切れているというエクスキューズは出てくるが、だったら尚更分からないし、筒井の誤解で済ますには弱い)
筒井真理子の姉が声だけで出てこないのでミスリードされてしまうところもあるし、犬のマネのシーンや緑の髪のシーンは意味があるのだろうが理解出来なかった
(モンドリアンのひまわりの例えが出てくるが関係あるのだろうか…緑色が使われているが。そうだとしたらちょっと下手な気もする)

ラストは裏切られつつも介護士になった市川の姿に、轢き殺したい気持ちもありつつも純粋に受け入れたい筒井真理子の複雑な気持ちを表現した長い長いクラクションだろうか
頑張ってという激励の気持ちもあるのだろうか…

女性のひとりの人間としての、非常に汚らしい部分と、非常に美しい部分がどちらも描かれている
看護や介護に関わる人間の深いところにある愛の部分が、やや足りないところがあるとはいえ描かれている
もっといい映画になったのではないかと思う気持ちあるが…意欲的な映画である