2020年6本目。
新感覚。
まさかの"泣けるラブドール映画"!
終盤には劇場のあちこちからすすり泣きが。
ファーストデイでほぼ満席の客席で、主演2人がセックスするのを、涙ぐみながら皆で見守るという異様な光景。
テイストは変化球気味ながら、"愛"について純粋に、真っ直ぐに描き切るヘンな映画。
ただ、ナメてた分個人的に琴線にめちゃくちゃ触れた。
これを女性監督が撮ったというところがミソ。本当に凄い。
脇に至るまで芸達者なキャストで固めたのも大正解。
今で言う田中圭のように一時メディアに消費されまくり、出てくるだけで食傷気味だった高橋一生がちゃんと上手いことを再認識。良かった。
「彼女がその名を知らない鳥たち」「宮本から君へ」に続き、乳首"だけ"出さない蒼井優の演技も当然半端ない。
演技力という点では現状日本でトップクラスの女優なのは間違い無し。
「宮本から〜」に続き逮捕前のピエール瀧も味があって良い。本当にコカインの件が惜しくて堪らない。
渡辺えりのお節介なおばちゃんっぷりも最高だけど、何と言っても本作の白眉は主人公の上司(師匠)を演じたきたろうの名演。
居酒屋での独白シーンが素晴らしいし、あとあの泣ける写真。是非とも何らかの助演男優賞を!
ラストで主人公が放つ、一見あまりにも軽く、その実様々な想いが込められた台詞が最高なのでスコアをプラス。
いや、スケベって(笑)