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イン・ザ・ハイツのめぐのレビュー・感想・評価

イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)
3.7
ミュージカル映画、やっぱりすきだな〜。と思った一本でした。

ノリがとにかく熱い!!ハイテンポなラテン系ミュージック、キレキレダンス、コンビニ商品とかレコードのキズとか小物の使い方にも遊びがあって、ラテン訛りの英語にスペイン語をきかせたラップ、全部サイコーよ。ニコニコしちゃうもん自然に。
(途中何度も「これKALDIのBGMにめっちゃ似てる……」と思った笑)

んで突然店閉めてプールに行けたりするのとか、そういうゆるさ、日本とはやっぱ180度違う文化圏だよなーーーって思う(どっちがどうとかじゃなく、文化が違うっていうのはいい意味でね)

そして暑い!!
ニューヨークを思い浮かべるとき、なぜか寒い季節の街ばっかりイメージしてたなと気づいた。そりゃ緯度的には日本と変わんないんだし、夏も秋もあるよな。(常夏のドミニカのシーンが挟まるからかも?だけど)スクリーンから他の国みたいな熱気が流れてきてて、なんか不思議だった。
暑さにバテバテのシーン笑った。

ニューヨークってすごく不思議な街で、日本人街、チャイナタウン、ユダヤ人にギリシャ人、本当に色々な人種が住んでいて、でもエリアが綺麗に住み分けされてるらしい。だからそのコミュニティの中なら英語喋れなくても生活できる、という。(いや、でもそれって本当に多様性のるつぼなのか???)
今回覗かせてもらったのはヒスパニック系の地区の生活だけど、本当に白人もアジア系もほとんど出てこなくて、アメリカとは違う国みたい。
でもみんなたくましく生きてて素敵。


んで音楽もすごくよかったんだけど、
アメリカンドリームの理想と現実、現在も深く根強く残る人種差別、不法移民の人権問題など、ヒスパニック系移民の複雑な環境や事情も、様々なキャラクターに投影させて、比較的うまく練りこんであったと思う。

アメリカ映画は、もちろん商業映画も素晴らしいクオリティのもの多数なんだけど、こういう社会問題をエンタメに昇華させて、かつジャーナリズムとしても機能させる映画が本当に上手だよね。
ここ何年か、黒人差別を取り上げた映画を特によく目にしてた。
市民デモ、集会などで直接意見を伝えることはもちろん大事だし、それ以外にも、世論や社会の風向きを変えるための方法をよく知っているんだなと思う。
そこはぜひ見習いたいところ。
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