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くれなずめのめぐのレビュー・感想・評価

くれなずめ(2021年製作の映画)
3.7
熱いコンビ、成田凌×若葉竜也!
(先週「街の上で」を観たばかり……)

しかしこの、同じ役者タッグを全然違う作品で観る、という経験が、改めて気づかせてくれたことがある。
これ、役者にとっては当たり前!!!と言われてしまうのかもしれないけど、よく考えたらすごいことよ。
それぞれの作品の2人は、全く別の人生と個性を重ねて、全く違う時間と体験を共有して関係性を築いてきた、違う世界線の2人……と、なんの違和感もなく観客が信じ込めるんだから。
つまりそれだけ「この人はどんな人間か。どうしてそうなったのか。」を考えて、細やかにつくりこんでるんだよね?たぶん。
素人目に見ると、それだけでどひゃー。となる。笑

ということで成田凌と若葉竜也の話は無限にできるけど、作品の話をする。

亡くなった人を思い出す瞬間、というのがある。
そのきっかけは、変に印象に残っている会話やシチュエーションだったり、その人が好きな音楽やお菓子だったりする。
その人の輪郭を形づくるそれらのものを見て聞いて感じて、「ああたしかにこんな人だったよなあ」と、今は空白だけど、いつかは確かにそこに在った、その人の姿に思いを馳せる。

生きると死ぬ、の境目ってなんだろう。
たびたび考える。
(これは宗教観にもよると思うけど)死んだらただの無になるんだよな〜と思うと、少なくとも私は結構怖い。

でもこの映画で、いつも回想されるとき、みんなの中でよしおが思い出されるその瞬間、彼は(現在進行形で)「生きている」よなあ。と思った。
人が生きた証って、やっぱり記憶だと思う。
私も死んだ後、ぜひこんなふうに思い出されて、生きていたいなあと思った。

劇中でも出ていた至言、「人は二度死ぬ」の意味をとても丁寧に味わい、反芻できる映画だったなあ。

他にも、挙げるとキリないけど
ウルフルズのくどいくらい熱くてまっすぐでがむしゃらな感じとか、
滝藤さんとかだーりおとか岩松了さんとかちょこちょこ、よい!!これ配役わかってるなあーーとなる起用をしていたり(パパイヤ鈴木は普通にウケた)、
エンドロールがまさに「くれなずむ」時間の長回しだったり、
細かいポイントが好きでした。
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