アフリカの角に位置し、ソマリアと接するフランス最後の植民地ジプチ(1977年に独立)。スクールバスジャック犯6人を6人のスナイパーが同時に狙撃して子どもたちを全員無事救出する。
と聞くと、さぞ緊迫した展開の連続かと思いきや前半のゆるさで気が抜ける。子どもたちの恐怖も親たちの混乱もほとんど描かれず、命を張った教師もスナイパーたちもCIAのアドバイザーも、犯人たちでさえ背景はほとんど触れられない。ただ無意味な待機時間だけが淡々と過ぎていく。
独立のために無関係の子どもを人質にした犯行グループ、隣国の独立運動に介入したソマリア軍、意思決定できないフランス政府、命令を待てなかった特殊部隊。ルイーズの命を奪った真犯人は誰だったのだろうか。
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追記: 高野秀行『謎の独立国家ソマリランド』を読んだ。顔の見えないソマリア軍は恐怖の対象でしかないが、ソマリアとソマリ人について知れば知るほど、違った面が見えてくる。無知は恥ずかしいことではないかもしれないが、壁があるのは、お互いに無知だからだとあらためて思う。「キャプテン・フィリップス」も見直してみよう。
