◆あらすじ◆
レーシング・ドライバーのシェルビーはルマン24時間レースに優勝するも、心臓病のために引退する。そんな彼にアメリカの自動車会社のフォードからフェラーリに勝てる車を作って欲しいという依頼が舞い込む。シェルビーは自らその腕を見込んだマイルズを口説き、フォードのルマン制覇へ挑む。
◆感想◆
それまでルマン24時間レースの絶対王者だったフェラーリにフォードが挑む様子をキャロル・シェルビーとケン・マイルズを中心に描いた作品になっており、数々の困難を乗り越えて挑戦する2人の姿に心が熱くなりました。
キャロル・シェルビー(マット・デイモン)は元ルマン24時間レースの勝者で引退後、カーデザイナーとして成功していました。持病が無ければレースを続けていたであろうことは、レースを見る彼の姿から察することができ、レースに懸ける思いの強さを感じました。
一方、ケン・マイルズ(クリスチャン・ベール)はかなり偏屈な人物で周囲からも扱いにくい人物として評されていましたが、レースドライバーとしての腕は一級品でシェルビーが喧嘩別れしたにも関わらず、マイルズを口説き落としたことからも明らかでした。
ストーリーはフォード社の依頼から始まった2人の挑戦でしたが、その2人の敵としてフォード社の組織が立ちはだかります。常にフォード社のイメージや利益、上下関係などが2人に思い通りのレースをさせません。これが非常にイライラするものになっていて、2人は何度も苦渋を飲まされます。それが故に、シェルビーとマイルズへの感情移入がとても強いものになっていって、最後まで本作に夢中になることができました。
また、個人的にはケン・マイルズの妻のモリー(カトリーナ・バルフ)が節目節目で夫をしっかり支えていて、これほど夫のことを理解してる女性は他にいないのではないかと思えるぐらい素敵な女性でした。
レースシーンではマイルズが運転する姿に気持ちが入っていって、一喜一憂しました。耐久レースだから現実的には1周ごとに一喜一憂することはラストぐらいしかないのですが、その点でレース映画として見せ方が上手かったと思います。
とても満足のできる作品でした。素直に楽しめました。
鑑賞日:2024年9月23日
鑑賞方法:CS ザ・シネマ
(録画日:2024年1月27日)