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ホモソーシャルダンスのsomaddesignのレビュー・感想・評価

ホモソーシャルダンス(2019年製作の映画)
4.0
東海林毅ショートフィルム選 偏愛ビジュアリストより④

セリフがなくて、映像と挿入される奇怪なコンテンポラリーダンスだけで表現される。端的にいえば「なんじゃこりゃ」なんだけど、登場人物たち含めて一番愛おしい作品かも。思春期童貞のこじらせっぷりから、男同士の友情が恋愛に近しい倒錯感まで短くギュギュッと映像にしたらこうなった感じ。誰一人として中高生に見えない中高年が学ラン着て演じてるのも愉快。シティボーイズやバナナマンらシュールコントの名手の幕間VTRに流れそう。

4本連続で見たら東海林監督はクラスや社会に上手く馴染めない、片隅に追いやられてしまった人をモチーフにすることが多いみたい。そういった人達に同情的に寄り添う訳でもなく、神の視点で突き放すでもなく、ドライに淡々と観察する様な視点が独特だ。
映画の端々に死への憧れっていうのか、手放しに生を賛美する風潮に疑念を持ってる様な黒い衝動が透けて見えた気がする。

34本目
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