基本的に、私たち凡人が想像し得るどんなことも、技術で映像化することができるこの時代に、こんなに映像のパワーに圧倒されて、その世界に浸って、驚かされるというこの贅沢よ。
配信じゃなくて、小さなスクリーンじゃなくて、その世界の中に浸るためには劇場に足を運ぶ必要があるって、こんなに実感させてくれる映画がある幸せを感じた。
まとわりつく暑さとか、砂のざらつきまで感じられるようなリアルさと、見たことない、と思える圧倒的に美しい映像、これこそ贅沢な映画体験でしょ。
私はデューン入門者かつ、いつもドゥニヴィルヌーヴ監督の映画はなんかすごいってなるけど一回で理解できないお馬鹿さんなので、ちょっとだけ予備知識入れて行ったんだけど、ストーリーラインを追いたいならそれが正解だったかなと思った。
徹頭徹尾、考えるな、感じろ、の世界なので…
でも逆に何も知らずに行って、あの世界に頭ぶん殴られるのもいいかもしれない。
人類が進化の果てに、科学技術の発展を捨て、それよりもノンケミカルなドラッグをキメて、精神を発達させることで新たな能力を獲得するっていうのは、まあなんともすごいな、という感じですが、それを神秘的に見せるのが上手。
あ、あと、人物の説明が一切ないのですが、役者のイメージと完璧に合ったキャラクターなので、こんな人かな？という予想を裏切られることがありませんでした。いい意味でみんな意外性の全くないキャラクターです。
設定の壮大さと複雑さをぼんやりでも理解させつつ、世界観に没入させていくために、そこの描写を極端に削いでいるんだろうけど、ティモシーシャラメもジェイソンモモアもステランスカルスガルドも、みんな全く意外性なくておもろかったよ。
唯一好きじゃなかったのは音楽かなぁ。
映像のパワーだけで十分すごいから、音楽あんなに全編鳴らさなくてもいいかなって思ったんだけど…ちょっとうるさく感じでしまった。でも個人的にハンスジマーがあんまり好きじゃないのもあるかもしれない…。
いやそれにしても次はIMAXで絶対に見たい、と見始めて数分で思ったので、リベンジします。
