Eri

落下の解剖学のEriのネタバレレビュー・内容・結末

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

カンヌで高評価受けそうな感じだった!!!
予告とかカンヌで云々〜の宣伝見て、こんな感じで終わるんだろうなと想像してたその通り、一つも予想を裏切られず映画が終わった。
ストーリーの展開的な面白さを期待していた場合、非常に期待はずれだろうなと思いました。

裁判が終始動機の有無の解明をしようとしてて、客観的な事実の提示はない(そもそも存在しない、という設定)ので、法廷ミステリーというジャンル分けはかなり厳しいのでは?と…

前半犬が賢くて可愛いこと以外楽しむポイントをあまり見出せず、これは私には向いてない映画だったな〜と思っていたのですが、途中の夫婦喧嘩シーンが最悪すぎて最高かつ、やっと夫がどういう人だったのかが少しだけでも客観視点入って見られたので、社会の中で求められる性別役割がこの裁判の行方に影響を与えていることがわかって(私はここでやっと理解したんだけどわかる人はもっと早い段階でわかったかも)やっと没入して最後まで見られた、が、いくら何でもそこまで長すぎないか???笑笑

まあこの口論シーンも、結局録音を聴いた人が想像するであろう映像を可視化している、と言うだけだから別に真実でも何でもないんだけど、機能不全夫婦のすれ違いシーンでゾワゾワするのってなんかわかんないけど面白さがある。
自分も気を付けよう、、、という気持ち。

んーーあと良いところを言うとすれば、ピアノで弾く曲2曲がそれぞれお父さん、お母さんのテーマになってることで、セリフではなく、「真実がどうやってもわからない時、自分で心を決めるしかない」的なことを言われた息子が、何を決めたのか、がわかるようにしてるのはオシャレですねぇ、、、と言う感じだった。

まあとにかく、主要キャラクターも過去に起きた事実も、すべて登場人物の誰かの視点を通してからしかわからないから、終始自分の中で想像力を働かせてストーリーを繋いでいかないと全く面白くないタイプの映画なので、大人向け?っていうのかな、私のようないつまで経っても子供っぽい感性の人間には、心からめちゃめちゃ面白い!とは思えない映画でした笑

この内容で150分以上あって、これが大ヒットとは、フランスの皆さんは大人な映画を楽しむ能力が高いんだなぁと思ったのでしたー。
Eri

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