ゆたり

屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカのゆたりのレビュー・感想・評価

4.0
醜悪の極み
汚物吐瀉物にまみれた、最低な画面に満たされている。
そして、1番恐ろしく嫌悪感を抱かされるのが、これがリアルだということ。

閉塞的で、もはや挽回もできない人生。
ゴミ屑みたいな、人々の隅っこにいるしかない人間、屋根裏の人間、酒の為に醜い男にすり寄る女、秘めた憤怒と狂気と性欲の為に女に酒を出す男

この映画に幸せなんて一欠片もない。
ずっと真っ暗な世界が映されていて、その中にひとつだけ、さらに真黒いモノがただ蠢いている。

「無惨に殺されたこの女性たちに、彼女の死に気付く人はいたのか。姿を消して、真実が明らかになって悲しむ人はいたのか。」と、こんなことを思ってしまうことが、怖くなるし悲しくなる。自分に。

いまの自分には全然理解はできないけど、ここまで酒に逃げるしかない人がいたし、いるんだろうな。

ペトラはぼくらなんだな

傍から見たら間抜けなことを、至って真面目に本気でしているとやっぱり笑っちゃうな。
ってクスッとするシーンもあるけど、潜む凶行を考えると、それもさらに恐怖を増す装置になるね。

「ここそんなに大きな音で驚かせる必要ある??!」ってとろがあったのが個人的には減点。


酒は飲んでも飲まれるな!!!!
ゆたり

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