我が亡き母はビートルズの大ファンだったので、私は母のお腹の中にいた頃からビートルズを聴かされていた
私にとってビートルズの曲たちは、生まれた時から当たり前のようにあり過ぎて、その偉大さも当たり前に感じていたような気がする
だから、この作品は却って新鮮に感じることが出来たのだと思う
そりゃ、設定に無理矢理感はあるよ、はっきりいって…
ツッコミどころは満載だ
だけど、これは愛と夢と希望が詰まった素敵なファンタジーだ
ビートルズ愛に溢れているなぁ…とひしひしと感じて、まんまと泣かされてしまったよ
主役のヒメーシュ・パテルは、歌がさほど上手いわけでもなく、声がいいわけでもない
だけどもあの素晴らしい名曲たちを彼が歌えば、それはやはりしっかりと聴く人々の心を打つ
あの名曲たちを聴く感動は、今も、いつの時代も、色褪せることはない
もしも全く聴いたことがない人達が初めてあの楽曲たちに出逢えたならば、そりゃあもちろん誰もが驚き、熱狂することでしょう…
だからあの結構なスケールのライヴシーンも、本当にワクワクしたし胸がいっぱいになった
だけど一方で、どうしても、「所詮、これは盗作でしょ…詐欺でしょうよ…」ってモヤモヤ感を抱えてしまうことになる
ジャックももちろん、名声と引き換えにだんだん苦悩し葛藤するようになっていく
しかし、そんなモヤモヤ感を、ジャックの楽屋に訪ねてきた二人の来客の言葉が、一気に払拭してくれるとは!!
ここで私はもう涙腺崩壊…
そのあとはアッと驚くようなサプライズにも涙、涙でした…
こういうビートルズの使い方、私はやはり愛があって凄く素敵だと思ったし、ダニー・ボイル監督と脚本のリチャード・カーティスに感謝したい気持ちになった
大好きなビートルズの曲たちを聴きながら、とても温かく幸せな気持ちになれた作品でした
歌はいいけど見た目が垢抜けないジャックを売るための戦略会議の模様とか、今っぽくて、いろいろ皮肉が効いていて面白かったな
印象的なシーンも多々あるけど、10分で名曲作る対決のところにあの曲を持ってきたのも良かったし、「君はモーツァルト、僕はサリエリ」の台詞にはグッときた
「2番目の男」君が「2位の曲にも名曲がある」と言って挙げたあのバンドのあの曲名にもニヤリとしながら、激しく共感しちゃったよ!