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イエスタデイのSpaceMonkeyのレビュー・感想・評価

イエスタデイ(2019年製作の映画)
4.5
ビートルズファンでなくとも十分に楽しめると思います。
クスッと笑えるコメディ要素も多々あり、ビートルズ往年の名曲が聴ける、大変満足な映画でした。

ビートルズの存在が世界中の記憶から消えてしまい、唯一覚えているはイギリスの田舎で燻る売れないミュージシャンだけになってしまう。ミュージシャンとして成功したいが、代償として失うものが大きく、何が最善か自問自答する主人公の葛藤と周囲の人間関係を描いた映画です。

アーティストの成功ヒストリーを描いた映画が多い昨今、違う方向性で音楽に触れられるいい映画だと思いました。

内容もグループとしてのビートルズがメインではなく、主人公の心理描写と現代音楽におけるオールディーズナンバーの存在価値について描かれ、ジワジワと感動できるものでした。
有名アーティストが出演しますが、ストーリー全体の雰囲気を乗っ取るほど過度に主張せず、あくまで一人のキャラクターとして登場するため、安心して観ることができます。

少々ミニシアター映画の雰囲気を醸し出してはいますが、それは大きな演出や派手な効果を使わない分、ドラマ映画として落ち着いた気持ちで集中できるようにするためのものだと考えると、非常に完成度の高いものだと私は考えます。

前記しましたが、メインは主人公と周囲の人間の心理葛藤です。
そのため、登場人物の表情や言動に大きく感動しました。

優しさや、音楽を愛する心。置かれた立場とやるせない想いなど、とても心に残ります。

是非、多くの人に観てもらいたい映画だと思いました。
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