Yoshishun

チャイルド・プレイのYoshishunのネタバレレビュー・内容・結末

チャイルド・プレイ(2019年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

何でパンフ作ってねぇんだよ💢💢!!!
そういうとこだぞ!配給!!


……目を赤くしたくなりました。。。



さて、本作は1988年に登場し、これまで計7作(うち2作はDVD作品)も製作された人気ホラーシリーズ『チャイルド・プレイ』のリブート版。チャッキーの設定からアンディの年齢まで大幅な改変が加えられ、より現代的な物語になっています。

この最新作は困ったことに、『トイ・ストーリー3』であり得たもうひとつのアンサーとして語り継がれることにあると思います。あの有名なストーリーはおもちゃたちが持ち主を愛し、持ち主もまたおもちゃたちを愛していたからこそ成り立つものでした。

しかし、もし3でアンディがおもちゃたちを何の躊躇いもなく捨てていたとしたら?
おもちゃたちを愛する気持ちが無くなっていたとしたら?

そんなトイの、いや問いの答えとなるのが本作。可笑しなことにこちらの持ち主もアンディ。第1作と比べ、中学生位の設定に変更された彼は、周囲では浮いた存在で友達のいない孤独な存在。そんな彼の前に現れたのが、1体の人形だった。

中身がマーク・ハミルなため、「ハン・ソロ」という名前を無視し自らを「チャッキー」と名乗る場面が序盤であるため、既に持ち主の意思とは反する行動を取ったりはするのですが、困ったことに本作のチャッキーは殺しを他ならぬアンディの為と考え、罪悪感なしに人々を惨殺していく。殺人描写がR15+指定上等なゴア満載で、新鮮かつ残酷なシーンの連続が大きな見所になっています。

冒頭、ベトナムの工場での不正なプログラムの入力によって、本来危害を加えないはずのAI玩具が猛威を振るう姿は、現代で活用されるAIの将来像、そして大量生産における労働環境の闇を両立して描いており、社会的メッセージを少し織り交ぜているのも、旧版とは異なります。逆に過去の様々な名作が描いていたものをまた掘り起こしてしまったようにも見えるし、労働環境における闇というより、プログラムを安易に変更できる管理体制のなってなさすぎる環境に呆れてしまうことも。

ただ本作はそういった部分はあまり深掘りせず、あくまで"1体のAI人形の暴走"に焦点が当てられています。なので変に哲学的だとか、社会派映画になることなく、絶妙なバランスで成り立っているのが本作の大きな利点だと感じました。

クライマックスでのチャッキーとのバトルはそれまで見せてた過剰なまでの暴力描写と比較するとかなり呆気ないものにはなってますが、最後の最後まで甦ろうとするチャッキーには最早笑うしかないです。先日見た『ハウス・ジャック・ビルト』の殺人鬼と同じく、二度と戻ってくるな!!!


…………といいつつ、続編に大いに期待です。
Yoshishun

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