Yukenz

SKIN 短編のYukenzのレビュー・感想・評価

SKIN 短編(2018年製作の映画)
3.7
SKIN/スキンを見た後、短編(本作)とセットで見るべきとのコメントを見つけ続けて鑑賞。

白人至上主義集団による黒人への暴力と、それに対抗する集団による報復という負の連鎖を20分にギュッと纏めている。

正当な理由もなく突然謎の集団に襲われる恐怖と、その報復により大きく狂わされることとなった家族の運命。
どちらも言葉に詰まるほどの惨事を見せつけられ、体が強張ってくる。

そしてそれぞれの側の子どもたちも、その様子をしっかりと見ている。
子は運命的に親の教えの色を濃く帯びて生きていくことになる。子が親を選べない以上、これは避けることができない。子は親の背中を見て取るべき行動を判断するので、世間的には理解し難いと思われる行為であっても、そこに悪意はないのだ。

暴力や報復による負の連鎖を断ち切るには社会的な取り組みがとても重要だが、その基本は包摂的な教育だろう。
すべての子どもたちが住んでいる地元地域で平等に教育を受けられる機会を持ち、親は責任を持って子どもに教育を受けさせる。
これこそがヘイトを無くすための草の根的で理想的な取り組みなのだと思う。
持続可能な社会の実現に向けて。

アカデミー賞 短編実写映画賞を受賞しただけあって、ガツンと訴えてくる良作だった。
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