にしやん

パリの家族たちのにしやんのレビュー・感想・評価

パリの家族たち(2018年製作の映画)
3.2
パリで働く女性とその家族を描くことで、多様化する社会での幸せの在り方を考えさせる群像劇作品や。
女性大統領とその夫、ジャーナリスト、大学教授、小児科医の三姉妹とそのオカン、舞台女優と心配症の息子の話がメインで、他にも花屋の店員やら、ベビーシッターのおばちゃんやらパリで働く女性たちとその家族の幸せと自分探しの話やねんけど、とにかく登場人物が多すぎるんと、その人等の話しがバラバラに、それもランダムに進むもんやさかい、映画の筋ついていくんにめっちゃ苦労するわ。最初のほうは何がなんやらサッパリ分からんよ。観る前に多少ネタバレ覚悟で公式サイトかなんかで予習してから観たほうがええんちやうかな。わしみたいに何も知らんと観たら前半はほんまチンプンカンプンなるよ。
映画の後半、それも4分の3位経ったあたりからやっと話の全体が把握出来てきた感じやったな。それまでパラレルに進んどった話がやっと重なり合ってくるわ。これはわしの好きなパターンやなと。三姉妹とそのオカンとのエピソードと大統領とジャーナリストとの下りは思わずグッときてしもたわ。やっとこさっとこおもろなってきたんやんか。せやけど、ちょっと遅かったかもな。残念ながら前半の展開が散漫過ぎて、観落としてしもてるとことか、訳分からんかったところがあるもんやから、モヤモヤ感も結構残るわ。もうちょっと前半のストーリーの構成を分かりやすうにでけへんかったもんかな。
この映画の原題は「母の日」やねんな。そっちのほうがええんちゃう?「パリの母の日」っちゅうんがいっちゃんしっくりくんな。皆んなそれぞれ精一杯幸せになろうと試行錯誤する女性たちの話をつなぐ糸みたいなもんとして「母の日」のエピソードが語られてるからな。それに、母性をテーマにはしてんねんけど、描けれてるんはいかにもフランス的な自由で自分らしく生きるっちゅう人生観や。映画に出てくる人等一人一人を通して、今を生きるわし等を応援してるんやろな。
それにしても前半が分かりにくいわ。シナリオ自体はよう練られてるだけに惜しいわ。もう一回観いっちゅうことかいな。それはちょっと堪忍してえな。
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