しゅう

ラストナイト・イン・ソーホーのしゅうのレビュー・感想・評価

3.8
字幕版を鑑賞。

主人公のエリーが60年代イギリス文化を愛する様に、自分もシネマヴェーラの特集上映が大好きな懐古趣味で、最新トレンドというモノには何時も懐疑的だ。

だが、『風と共に去りぬ』の背景に醜悪な黒人奴隷制度が隠れている様に、輝いて見える"古き良き時代"の文化にも当時の社会状況が色濃く反映している訳で。

エリーが偏愛する60年代の艶やかでエレガントなファッションの影には、女性を人形として消費しようとする古い男達の欲望が渦巻いている。

そう考えると、レトロカルチャーをその時代の精神性に無知なまま只表層的に賛美する事が危険にも思えてくる。
しゅう

しゅう