lapin2004

モービウスのlapin2004のネタバレレビュー・内容・結末

モービウス(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

2D字幕Dolby Atmosにて観賞。

度重なる公開日の延期によりDCのコウモリ男映画に続いての公開となった本作品。モービウスのオリジンストーリーがテンポ良く描かれ進行する。『ザ・バットマン 』(2022年)のような野心的試みや新奇性は無く予想を裏切るような展開も無い。巷の評判の通り「凡庸」なのだろうが、そこは昭和の昔から好きでアメコミヒーロー映画を観続けている私にはどうでもいいところだ。ただ気になった部分がいくつかある。

・「I am Venom!」のくだり
ここがヴェノムと同じユニバースなのはいいとして、どうしてその名前を知っている?有名人だったっけ?モヤモヤ。

・飛行能力の獲得
吸血コウモリのDNAを取り込み血液の凝固を防ぎました。副作用で驚異的な身体能力・聴覚を得ました。これはいい。コミックファンにとっては理屈の通った立派な科学だ。でもコウモリのDNAを取り込んでも紫の煙撒き散らしながら空は飛べないでしょうよ。飛躍しすぎ。いや物理的な話ではなく論理として飛躍しすぎ。飛行するなら翼が生えてくるとか、反重力装置とか、神秘の石による謎エネルギーとかの「理屈」が欲しい。そこ大事。科学の力なのか呪い(?)の力なのかモヤモヤする。そういやDCのコウモリ男は翼(皮膜)に相当するウイングスーツを出して高所でガクブルしてからの着地失敗してましたな。

・ヴァルチャー
いきなり現れたエイドリアン・トゥームスがいきなりヴァルチャーのスーツを着ていてスパイダーマンを倒すため(?)いきなりモービウスと手を組む?何じゃそりゃ。『スパイダーマン :ホームカミング』(2017年)で描かれたエイドリアン・トゥームスからは流れ(人物像)が繋がらない。ていうか本作で描かれたマイケル・モービウスからも繋がらない。詳細は今後描かれるのだろうが…


拙速とも言えるユニバース化の都合(メタ的な大人の事情)を見せられると興醒めする。そのあたり下手すぎる。ヴェノム、ヴァルチャー部分が無く、エンドロール後にバンクロフト博士がカッ!と目覚める「凡庸」なラストであったならワンランク上の評価にしたい。
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