ケネス・ブラナーの、名探偵ポアロへの飽くなき挑戦と尽きない情熱が存分に味わえる良作です。オリエント急行に引き続き。
そりゃアガサ・クリスティ作品なんだから、どう足掻いても物語がつまらなくなることはないので安心して楽しめます。それだけで映画を観るという行為をそこまで頻繁にしない人なら、安心感あるんじゃないかな。ミステリの女王、至極の名作です。
純粋なポアロファンとしては、実写になるとより利己的な探偵という印象が際立つので、そこも楽しみポイントです。
そちらも1作目に続いて、ですね。また別のわがままっぷりです。涙。
個人的には、エジプト感を醸し出すための取ってつけたようなエジプト風景カットが逆に要らないなぁなんて思いましたが、大好きなストーリーを実写で楽しめるという点だけでおっけーにしました。
本作とエジプトのマッチポイントって、とにかく情熱的というところだと思っています。ロンドンとは比べ物にならないくらい暑い場所なのに、全く暑さを感じないのはちょっともったいないかなと。
そして、殺人事件が起きるまでに情熱的な愛がクールに潜んでいるというところが物語としての美しさだと思っているので、なんだかもったいない。
ラストが本当に好きなんです。ポアロらしくて。ここのところのケネス・ブラナーは必見です。
