綾

ナイル殺人事件の綾のネタバレレビュー・内容・結末

ナイル殺人事件(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

アガサ・クリスティーが好きで原作は読んでいたので犯人は知っていたけれど、細かい展開はすっかり忘れてて、2時間みっちり面白かった〜!

人種の幅を広げたり、同性愛の設定を加えたり。現代に見合った変更点もよかった。

やっぱりミステリーでしか味わえないわくわく感(人が死ぬのにこういう言い方もどうかと思うけど…)がある。キャストもイメージ通りで、とくにリネット、サイモン、ジャクリーンは個人的に拍手のキャスティングでした…!👏🏻


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ただ、オリエント急行に引き続き、このなんとも言えないチープ感はなんなんやろう…?何が原因なんやろう…?

エジプトの映像がCGっていうのも大きい。原作の持つ重厚感、異国情緒溢れる甘美な空気感は、残念ながらほとんど感じられなかった。

ポアロの過去も、個人的には蛇足だったかな… はじめ、間違って別の映画を再生しちゃったのかと思った。
ポアロの口髭は、彼の誇りと美的価値観の表れ。「コンプレックスを隠すための手段」っていうのは、少し私とは解釈が違ったな。でも、ポアロの人間らしい苦悩を描きたかったんだろうなっていうのは伝わってきたし、そもそもケネス・ブラナー演じるポアロそのものに違和感もあったので、新しいポアロ像として受け止めた。どこかで「口髭の大きなポアロ」と表現されているのを見て、なんだかしっくりきた。「口髭の大きなポアロ」も、それはそれでいい。古典的名作というのは、得てして神話化するもの。その時代に沿って再話され、解釈され続けていく。こうして新たに映画化されることを、素直によろこんでいたいな。

とにもかくにも、ずっと気になっていたので観られてよかった!
綾