真田ピロシキ

LUPIN THE ⅢRD 峰不二子の嘘の真田ピロシキのレビュー・感想・評価

LUPIN THE ⅢRD 峰不二子の嘘(2019年製作の映画)
4.0
このシリーズの始まりがTVの『峰不二子という女』だったのにまた不二子?そんな気持ちで見始めたが見終わってみるとなかなかに楽しめた。タイトルに嘘と入っているからには何かしらの嘘が語られるのは想像に難くないが、父親を失った子供に献身的な不二子というそれこそ絶対嘘だろうという姿を映しておいて、そうした悪女染みた見せ方こそが嘘かもよと不二子像を損なうことなく提示していて良かった。不二子の表情で細かい感情の機微を表しているのだけれど、不二子なだけにそれがどの程度信頼して受け取って良いのか分からないのがミステリアス。保護している子供であるジーンには懐柔しようと幾らか本心も交えて?優しく接する不二子だが、殺し屋ビンカムには感情のない改造人間である事を突いてファム・ファタールな不二子らしい戦い方を見せる。しかしビンカムも殺ししか知らない子供のようなもので、彼に対して不二子が向けた真意はジーンへのそれと近かったのかもしれない。不二子と子供の組み合わせと寡黙ながら不二子のキャラクターに潜ろうとしている試みが面白くて見応えある。

アクションシーンは次元の超精密射撃や五エ門の血煙劇場程の激しさは期待出来ないと思いきや格闘戦を立派に果たして見せる不二子。戦闘中にポロリするけど今回はお色気要因じゃない。やはり長い脚を活かしての脚技が多めに繰り出されて印象的。敵のビンカムがメンタル突かれて負けるのは良いんだけどかなり状況を限定するギミックを用いた殺し屋なのが純粋な強者だったヤエル奥崎やホークと比べると一枚落ちる感じがした。この2人が本作にも登場するが今後再戦するのかな?あまりキャラを大事にしすぎるのも如何なものかと思うなーマモーの底知れなさはあのレベルの配下が何人もいるって事じゃないのか。ていうか黒幕はマモーだよね?