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ミッドサマーのyのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
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なんでこんな胸糞悪くなるんかなあと考えたのですけどやっぱ残酷な行為は嫌だよ…どちら側に正しいも間違いもないと思って見ても、自分の意志として、本能として、もっと深い部分で明確に強烈にその残酷さが「大嫌い」なんだろな…。だからそういうグロさ目の当たりにするのってこんなにツラいんだわ。
この感覚は周りの生まれ育った環境による無意識の思い込みバイアスはかかってないと思うんですが…どうなのか…だからこそ「感情」は人間の一番内側にあると思ってて…なんとなく…その領域にだけは環境の呪いはかけられないと思うの…呪いがかけられるのはもっと表面に存在する思考にだけで。
でもあの思想の集団の中で生まれてそれが普通のこととして育つと私の思う残酷さは残酷さとして認識されなくなるのかなあ。人間としての根幹部分にそれを忌む感情って存在しないものなのだろうか…だって「痛い」はどうしたって「痛い」じゃないか…余程のM以外痛いの嫌じゃない人なんておらんやろ…。
全く関係のない外部の人間をなんとかかんとかすることに胸を痛めたりという感情すらそもそも無いってことなのか、ホントはあるけどその感情は眠っているだけなのか。宗教信念に基づいての行為というよりかは完全に自己を放棄しててそれすら気付いていないように見えるんよ…そこんとこが知りたい。
監督のラストシーンの説明読んだけどそれは本当に考えてもよくわからなかった…そこに堕ちて幸せを得てもそれは偽物の自分では…本人が本物と思っていようがそれは本気で催眠術にかかってるみたいなものでは…?「自己を放棄した幸せ」はかなり紛い物だしそこに美しさなんぞあるかいな…と思ってしまう私は。
そんなことを延々と捏ね繰り回して考えてしまった。カルト的なものにフォーカスした考え事ばかりしてしまったけれど、インタビュー読むとそういう客観的視点ではなく主人公の視点のみにフォーカスして作品を眺めるべきなのかもしれない…そうするともう本気でヤバいという感想しか湧いてでてこなくなる…。常軌を逸した作品つくれるって一般的に持ちえない観点から世界を眺めていないとできないことだからそういった意味で単純にすごい芸術作品なんだと思うんですが…。でもこの作品で描く「美」は、自分にとっては「美」と思えなかったので(ビジュアル面でなくもっと本質的なところが)己の心のそういう側面を見せてくれた映画で…頑張って観てよかったなあとは思っている…
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