気持ち悪い映画（褒め言葉）。明るい絵面中心でもホラーは作れるのだと感心した。ワッと驚かすシーンはほぼ無く、ジワジワと不安にさせてくる感じなので、心臓の弱い人でも安心して観れると思う（大嘘）。
構図やカメラワークがとにかく美しい。特にダニーとクリスチャンが旅行前に揉めるシーンが鏡の使い方含めて好き。部屋に入るや否や背中を向け合う2人（鏡によってそう見える）。揉め始めても鏡により両者がカメラの方を向く構図となり、まるでお互いがお互いを見ていないよう。座って話し合いを求めるダニーに対し、彼女に背を向けドアの方を見て佇むクリスチャン。数分？のシーンで2人のすれ違いを視覚的に巧く表現していたのが見事。
車をぐるーっと縦に180度回転して撮ったり、目蓋をきっちり2回に分けて閉じたり、クライマックスでの正三角形の建物（無機質な対称形）と流線を描く花のドレス（有機的な非対称形）のコントラスト鮮やかなカットだったり、枚挙にいとまがない。
唯一残念なのはボカシ。グロいところはガッツリ写すのにそこはボカすんかい！（笑）走り回っても大事なところはしっかり追尾して隠すのがシュールで笑ってしまった。
後半の展開を匂わす伏線が色々あった様なので、もう1回見たい。でも精神にクるからやっぱ見たくない。
