たいてぃー

ミッドサマーのたいてぃーのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
3.3
ホラーのようでホラーじゃないって評判で、観てみた。本作のディレクターカット版が上映されてる。上映時間は170分に延び、R18指定とのこと。あのモザイク入りのシーンが具象化されるのかな。観てみたいけど、遠慮したい気も強い。
出だしは、やたらと電話する女性が登場。精神的に不安定な状況で家族に不幸があったようだ。電話相手は恋人だが、彼女を邪魔者扱いしてる。ミステリアスな雰囲気で、ここからホラー展開ではと勘ぐったが。
この女性はダニー。恋人のクリスチャンは人類学を専攻しており、その友人とダニー5人でスウェーデンのホルガへ旅立つ。このうち、ペレがホルガの出身。ホルガへ行く途中で、ペレの同郷者を含む3人組と合流する。この3人のうち1人は女性。ここでドラッグを楽しんでた。ミッドサマーのほぼ白夜という特殊な雰囲気で、ここからホラーかと。
ホルガに到着。ここも緑が多く、楽園的。娯楽もあって、「オースティン・パワーズ」。なぜ、この映画なの?
そして、祝祭が始まって、いきなりの飛び降りシーンでホラーの始まり。日本でも姥捨山や武士道での死に際があったなって浮かんだけど、やっぱりこの儀式は異様。その後は、独特というか特異な儀式の連続。どうも、監督自身の失恋が出発点らしく、これに北欧の古来の因習を絡ませている。何の意味があるのか?
ラストのダニーの覚醒は、確かにカタルシス感はある。でも、笑みを浮かべるのには寒けすら感じた。ここが一番ホラーっぽい。
本作、ホルガの風景や食事の際の机の並べ方、いろんな絵画、処刑の方法、そして受胎のやり方等、美的センスを感じるところはある。でも、表現が濃すぎて、不快さがこの上ない。やっぱり受け入れるのは無理。