前知識一切無しで見ましたが、淡々とお菓子を食べながら見ることができました。何でしょうね?感想としては、あー、こういうカルト集団は実際に無数に人知れず存在してるんだなぁ…って妙に納得。
伏線があちこちに張り巡らされていますね。例えばルーン文字や、春夏秋冬の意味、各所に飾られている絵画の意味、クマの意味、黄色の三角の家…などなど。グロテスクだとは全く思いませんでした。北欧に実際あるんだろうな~ぐらい。
カルトと言えば切っても切り離せないのが「ドラッグ」と「SEX」。まぁ盛り込んできましたよね。そりゃそうだ。夜が来ない白夜の設定は素晴らしかった。美しさの中にある狂気。見せ方が非常に自然で上手い。
彼氏のとち狂ったSEX儀式シーンを見た主人公のダニーが嘆き叫ぶところでは、周囲にいた村人たちもそれに呼応するかのように悲しみを露わにします。洗脳とはこうして出来ていくのだなと冷静に見入ってしまいました。
カルトとは正に心理戦ですね。主人公の親兄弟はなぜ殺されたのかは、恐らくハルガの村に連れてきたペレが殺したのではないかと思っています。序盤でダニーにMay Queenの写真を見せた段階で、ダニーが次のMay Queenになるのだなと分かりました。全てはその為の仕込み。カルトすげー。
陰毛をパイに仕込んだり、経血を飲み物に仕込んだりと「性」と「宗教」の深い関係性が伺えます。村のシンボルとして立っていたモニュメントですが、男性器に見えたのは私だけでしょうか。
難解ともグロイとも思わなかった。ただただ、納得した作品。世の中にはこんなカルト宗教があるんだろうな~と。
しかしまぁこの監督は何故にこれを撮りたかったのでしょうね(笑)分からんでもないですが。
ラストは狂気からの浄化というね、まぁ皮肉なエンディングですけど。人間ってそんなものかもしれません。狂気さを際立たせる為に、敢えて明るいファンタジーな世界観を描く当たりも憎いですね。主人公らの心情の明暗のコントラストがハッキリと映し出されています。
私は好きですね、この作品。伏線を回収すべく、もう一度丁寧に見たいと思います。フローレンス・ピューの演技も素晴らしかったです。
*私は無神論者です。
無論カルトに興味はありません。