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僕の特別な兄弟のYのレビュー・感想・評価

僕の特別な兄弟(2018年製作の映画)
4.3
のむコレにて。いい映画だった。こういうのをガンガン日本公開すればいいのにと思った。

脊髄損傷で首から下が動かないが良くも悪くも知恵者のセハ。身体は屈強で泳ぎの達人だが知的障害者のドング。2人が共に過ごし補いあう時間を自然に描いていく。「障害者にとって何が大切なのか、自立とは何か」ということを(この話が最適解なわけではないが)考えさせられる。

障害者の自立といえば邦画では「こんな夜更けにバナナかよ」があるが、個人的にはこちらの方が好み。どちらも綺麗事エンドだが、どちらかというと自分にとってはこちらの方が合ってるというか。

エンド間近に、とあるシーンのリフレインがあるのだがそこで全て納得するというか涙せざるを得なくて、そういう映画としての技巧の違いかなとも思う。

とはいえ、両作品とも「障害者が皆決して"心がきれいで一生懸命な人"なわけではなく(水泳の先生の携帯のシンハギュンの登録名笑ってしまった)、それぞれ欲望もあれば葛藤もある、要は"普通の人"で、それぞれがしたいように、どう当たり前に暮らしていくか」ということがテーマであり、観た人それぞれの中に考えが生まれたり、答えが分からず迷い続けたりってなるだろうなと思った。

そういう意味では両方とも秀作なわけで、感動ポルノの日本の24時間テレビなんかより、この2本の映画を延々と流していた方がよほど障害者の啓発になるのでは?などと考えた。どうせ今日本のテレビは製作費無くて青息吐息なわけだし、ちょうどいいのでは。
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